お盆が過ぎたとはいえ、まだまだ残暑厳しい日が続きますね。8月ももうちょっとで終わり、今頃宿題に追われているんじゃないかなっと昔を思い出しながら、この日は高知県漁協本所からすぐの「高知市立長浜小学校」の児童クラブで、高知県漁業協同組合の野々村重利副組合長理事が”高知の漁業”について話をされると聞き、私もお邪魔してきました。

野々村副組合長理事が子供達に話をするのは今回が初めてというわけ
ではなく、以前から横浜小学校など地元の小学校などで話をされてきた
そうです。

自分達の住んでいるすぐ近くの浦戸湾で、どんな魚がどういった方法で
獲れるのか、魚達はどんな所に住んでいるのかなど、子供達にもっと知
ってもらうため、興味を持ってもらうためにこういった活動を続けているそ
うです。                                            
身振り手振りを交えて話をする
                                                        野々村副組合長理事




午前9時半、夏休み中の学校は外からは静まり返っていましたが、校舎内に入ると子供達の元気な声が響いてきました
児童クラブといってもいくつかの教室に分かれており、今回お邪魔したのは小学1年生~3年生約30名のクラス。みんな長机に向かいそれぞれ渡されたプリントを問題を解いていました。『先生分からん』『暑い~』など、元気いっぱいな声が教室のあちこちから聞こえ、先生も負けないくらい大きな声で答えます。



さて始まりました、魚のお話。まず魚のお家について


私達にはみんな家があるように、魚達も海に家があります。
漁礁(ぎょしょう)』といって、コンクリートのブロックや間伐した木
を使った柵(木柵)を海底に沈め、そこにたくさんの魚達が集まって
マンションの様になっているのです。

順番に見せてもらったファイルにはたくさんの海の中の写真があり、
経年変化によって周りに違和感なくなじんでいるマンションの様子を
見せてもらいました。                                         子供たちの様子
                                              
こうして魚が居付くことによって、安定して漁を行うことが出来るそうです。

ちょっと見えづらいかもしれませんが海底の漁礁の様子です。人工の工作物が海の景色に溶け込んでいます。

     
  
廃船が自然と一体化しています      小魚がいっぱい集まっています       暗闇の海底に広がる世界

              
         
間伐材で作られた木柵付き漁礁            海底へと姿を消します

それでは次に、どうやってそこに行くか


地上には道や看板がありますが、海の上には道はありません。それじゃあどうやって目的の場所に向かうのでしょう?答えはGPS!地球上の現在位置を調べるための衛星測位システムの一種で、数値によって場所が表示されるので迷わず向かえます。そして魚群探知機で魚がいるかどうかを調べてポイントを決めます。

こういった機器が発明される前は、『山見法』といって山の位置関係から場所を把握していたそうです。すごい!

漁はどんな種類があるの


浦戸湾沖や土佐湾では沖合底引網沖ウルメやメヒカリ、小型底曳網によってはエビ類や雑魚が、そして機船船曳網(バッチ漁)と呼ばれる網を二隻の小型船で引っ張ってどろめの水揚が盛んです。特に今年は大漁だったそうですよ。私も5月に赤岡で行われたどろめ祭りでたくさん食べました

他に湾内では刺網エガニ台湾ガザミ、また沖合の一本釣りではカツオ・アジ・サバ・タイ・ウルメ等が獲れるそうです。

中でも浦戸湾で獲れる”エガニ”は日本では他に浜名湖にしか生息しておらず、
なおその数が激減しているそうです。
そんな希少な種が生息していることにビックリし、ちょっと得意な気分になりました。
でもそれと同時に、この希少な種を守っていかなくては!とも感じました。



★★次に、浦戸湾がどういう風に変わってきたかのお話がありました。★☆

昭和21年 : 太平洋戦争が終わった翌年。南海大地震が発生

       若者が戦争に狩り出され、魚介類を取る人が少なかったことと、地震によって地盤 の沈下や堤防や
       水門等の破損がおこり、各地に遊水地ができ魚介類の繁殖が促進した。

昭和37年~39年頃 : パルプ廃液による水質汚染と埋め立て計画

       数年前より操業していたパルプ会社の廃液によって水質汚染が進み、海水は茶褐色に染まって悪臭
       を放ち、魚達も汚染され漁船のプロペラや金具が腐食するなど、公害に苦しめられる。
       そんな頃浦戸湾の一部の埋め立てが行われ、工業用地の代わりに広大な好漁場が奪われる。

昭和46年 : 現在

       昭和46年、パルプ会社の排水口を生コンで埋めた”生コン事件”が起こり、それによって会社は操業
       停止となりました。それと同時に下水道の整備が進み、水質は少しずつですが改善しつつあります。

       失ってしまった物は元には戻りませんが、今は稚魚の放流や藻場の造成などによってかつてのように
       魚介類の豊富な浦戸湾に回復するよう願い、景観の美しい浦戸湾を守っていかなくてはいけない。

※補足※ 養鰻業

       昭和40年代前半から、養鰻業にシラスウナギが高値で取引されることが分かり、ちょうどその頃黒潮
       に乗って南から遡上してきていたこともあり、高知支所では養鰻が行われ始めた。
       皮肉にも、遡上してきたシラスウナギは湾内の廃液に酔って簡単にすくい取る事ができたとか・・。



★☆最後に・・☆★

   魚は骨の成長に必要なカルシウムをたっぷり含み、必須脂肪酸であるDHAもたくさん含まれています。
  
   80歳過ぎの野々村副組合長理事は、昔から魚をたくさん食べていたので今でも全部自分の歯だそう!!
   食生活の変化によって、大人の歯が生えない子供や顎が未発達で噛む力の弱い子、大きくなっても虫歯や
   歯周病によって歯を失ってしまうなど、口は健康のバロメーターとも言われます。

   最近では、『8020(ハチマルニイマル)運動といって、80歳になっても自分の
   歯を20本以上保とう』という運動が展開されています。

   毎日の歯磨きと一緒に、丈夫な歯と顎を作るために成長期まっさかりの子供達
   には是非お魚をいっぱい食べて丈夫な体(歯も大事)を作り、そして身近にある
   自然を感じながらスクスクと成長していってほしいと思います。
 


JF高知県漁業協同組合

浦戸湾と高知の漁業

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