
世界情勢が混迷するなか生産量が低下し原材料価格の高騰、また、ウクライナ情勢の悪化による油脂類の流通停滞による物流費全体に占める割合の高い輸送費の高騰、さらに円安の影響で物価高騰を招き燃油、漁業資材類は、高止まりの状況となっております。令和6年度は、役員改正の年でありました。新規体制で社会情勢の変化に対応すべく、中期経営計画に基づき、経営してまいりましたが、令和6年度は、水揚げ高の減少、魚価の低迷等の影響もあり事業総利益753,352千円、令和5年度対比86%となりました。事業としては経営課題に関する分析と経営基盤強化の調査(コンサル事業)を継続して行い、令和6年度課題として、1.マンパワー不足、2.施設整備の二つの課題について協議を行い、職員不足への対応策として、組合員の皆さまの協力のもと、現状課題の解決に向けた事務機能統合の実施。清水ブロックと幡東ブロックの2ブロックで、業務負担軽減に対応するために、事務機能を各統括支所へ集約しました。また、水揚漁獲の早期情報提供による魚価の向上を目的とた、支所に水揚げされた水揚げ情報が瞬時に統括支所に提供できる自動計量システムを導入しました。今後は職員各自の職務分担等を明確にして、事務負担の軽減、待遇改善やイメージアップが図られるよう人材確保・育成に努めてまいります。
次いで、各支所施設の老朽化による施設整備について、令和6年度では芸東ブロックでの公設民営市場の開設について検討。しかしながら、食品衛生法改正により、施設を立て直す(もしくは大幅に改修する)場合は改正食品衛生法に基づく施設基準への適合が必要となり、法改正後は、食品衛生法、建築基準等の法規制への対応と、整備費用(建築資材)、ランニングコスト(光熱費)等の高騰による費用等の課題が生じました。今後は、関係機関や地元組合員との充分な協議を行い持続可能な経営基盤の見直し、法規制への対応、環境変化に対応するため役職員が危機意識を共有し、一丸となって課題に取り組んでまいりますのでご理解とご協力をお願いいたします。
令和7年度基本方針
令和7年度は、合理的な組織編制、効果的な施設整備計画の策定、整備・維持・管理に必要な財源確保の検討を含めた中期経営計画を策定し、長期的な施設整備計画、各ブロックでの事務機能集約の推進、デジタル技術を活用した効率的な生産流通体制の向上および市場業務の効率化を目指す産地市場のスマート化等に取組みます。これらの取組を着実に進め、高齢化による組合員の減少においても漁業生産額を確保し漁業所得の向上を目指し、合併漁協のメリットを活かして組合の存続を図ってまいります。組合員の皆様のご理解とご協力を御願い申し上げます。
代表理事組合長 澳本 健也